OpenAIが、先週から今週にかけて、すべてのChatGPT Plusユーザーに対して、webブラウジングとプラグインを開放することを発表した。
この発表の直後に、朝目が覚めるとOpenAIからプラグインアクセスへの招待メールが来ていた。
下のメールがOpenAIからのメール。
「ChatGPTプラグインへのアクセスに招待するよ」と。
上のメールはプラグインの1つである”PortfolioPilot”からのマーケティングメール。ChatGPTプラグインにアクセスできた人に送ってるっぽい。ガンバってますな。。。
そこで、早速ChatGPTのプラグインにアクセスしてみたので、その内容を紹介したい。
結論としては、性能は高くないものの、これから急スピードで改善されていく可能性もあり、興味があれば早めに使ってみると良い。
プラグインの開放は有料会員限定なので、1ヶ月だけ有料会員(月額20ドル、約2,600円)になるのもあり。
それでは具体的に見ていこう!
よろしくお願いします!
ChatGPTプラグインとは?
ChatGPTプラグインとは、ChatGPTを基礎にして、特定のユースケース用に機能を拡張する差し替え可能なソフトウェアのことだ。
大まかにいうと、スマホのアプリみたいなものだ。
スマホがChatGPTで、アプリがChatGPTプラグインである。
アプリには天気、ニュース、メッセージ、SNSなどが用途ごとに色々なアプリがあるように、プラグインにも天気、要約、旅行など用途ごとに色々なプラグインがある。
プラグインはこれまでGoogle ChromeやSafari、Firefoxなどのブラウザに色々あった。
それが今回ChatGPTにもプラグインがあることで、チャットをしながら天気を知る、何かの資料を要約する、旅行の計画を立てるなどができるようになる。
なおプラグインにはOpenAI社のものとOpenAI以外の第三者が作成したものがある。
OpenAIの自社プラグイン
OpenAI社が作成した自社のプラグインは3種類ある。
①ブラウジング
ChatGPTから直接ウェブブラウジングをして、最新の情報も検索しながらAIとチャットができるプラグイン
例えば、「今年のアカデミー賞の受賞作を教えてください」と入力すると、受賞作のリストをソースとともに教えてくれる。
②Code Interpreter
AIがPythonでプログラミングをしながら資料やデータを分析し、グラフや図、洞察を提供してくれるプラグイン
例えば、音楽業界の市場データをアップロードして市場分析及び成長戦略立案をしたり、スマホの万歩計データをアップロードして自分の歩数データをヒートマップ化したりすることができる。
他にも詳しく知りたい場合は、過去記事があるのでよければどうぞ!
③Retrieval
個人や法人が持つデータやファイル、メール、公開文書にアクセスして、欲しい情報を取ってきてくれるプラグイン
例えば、個人の大事なメールを呼び出してもらったり、会社の議事録で上司の発言を調べ直したりすることができる
これらがOpenAI社のプラグイン3種類であり、他に外部の会社が作ったプラグインがある。
1つはOpenAIが審査をして承認された外部のプラグイン。もう1つはOpenAIが審査も承認もしていない外部プラグイン。後者の未承認のプラグインは、ChatGPTの公式プラグインストアには掲載されていないものの、未承認プラグインのURLを入力する画面があり、そこからインストールできそうである。
未承認プラグインのURL入力画面
今回は、承認された外部プラグインにアクセスできるようになったので、それらを紹介したい。
外部プラグイン全92種類紹介
2023年5月18日時点では、ChatGPTの外部プラグインは全部で92種類ある。
ほぼ海外向けのアプリやウェブのサービスが、ChatGPTプラグインになったケースが多い。
そのため、日本人にとってはあまり馴染みがないものが多い。
実際に使ってみても、日本向けにローカライズする必要を感じさせるものも多いけれど、ChatGPTのプラグインの雰囲気は掴めるので、興味があればおすすめだ。
ちなみに唯一日本向けのサービスとして、食べログのプラグインが登録されている。
ここでは全種類をスクリーンショットで紹介する。
その1:聞いたことないサービスばかり。。。
その2:チェスもある。海外ぽい。。。
その3:Expediaを発見!これは日本でも使えるかも!
その4:Trip.comは知っているけれど、日本ではあまり使わない印象。。。
その5:知らないサービスばかり。。。
その6:仮想通貨のPolygonがプラグインを出している。面白そう。。。
その7:Instacartは先日OpenAIのデモで見た。
その8:食べログ発見!なおインストール済みw
その9:ここにあるサービスもまったく知らない。。。
その10:ここにあるサービスもまったく知らない。。。(二回目)
その11:ここにあるサービスもまったく知らない。。。(三回目)
プラグインの始め方
まず、今回直近で5月20日ごろまでに予定されているChatGPTプラグインの開放は、ChatGPT Plusユーザーである。
そのため、ChatGPT Plusユーザーになる必要がある。ChatGPTの有料会員で、月額20ドル(約2,600円ほど)かかる。
ただ1ヶ月で解約しても良いので、試しに1ヶ月だけ有料会員になって試してみるのはありだと思う。
他にもChatGPT Plusユーザーになると最新のAIモデルであるGPT-4も使えるので、試す価値はこれだけでもある。
興味があれば、詳細を別記事で書いているので、よかったら読んでみてもらいたい。
ChatGPT Plusの登録はこちら↓で説明してます
GPT-4についてはこちら↓で説明してます
ChatGPTプラグインへの招待メールを受け取ってからChatGPTを開くと、まずUIが変わっている。
“GPT-3.5″と”GPT-4″がそれぞれ左右にあり、GPT-3.5には特に何もない
一方でGPT-4をクリックすると、デフォルトとプラグインが選べるようになっている
プラグインをクリックすると、Plugin storeにアクセスできるようになっている。クリックしてみる
プラグインについての説明ページが出てくる。ここは迷わず”OK”をクリックして進む
すると、プラグインストアにアクセスできた!
プラグインストアの表示カテゴリーは、New=新着、Popular=人気、All plugins=すべて、に分かれている。
今はまだ始まったばかりだからか、多くのプラグインがNewでも表示されている。
プラグインのインストール方法は、インストールしたいプラグインの枠内になる緑色の「Install」ボタンをクリックするだけ。
何個でもインストールできるので、興味のあるプラグインは全部インストールしておいてよいかもしれない。
プラグインをインストールしたら、実際に使って試してみる。
プラグインの使い方は、プラグインを有効化するだけ。
最初はどのプラグインも有効化されていない。
“No plugin available”にカーソルを合わせてクリックすると、インストールしたプラグインが表示されるので、その中で自分が有効化したいプラグインにカーソルを合わせて、クリックする。
試しにExpediaのプラグインをクリック
すると、Expediaのプラグインが有効化されて、チェックマークが入る。
これでExpediaのプラグインを使ってChatGPTを使えるようになった。
プラグインを試してみた
プラグインをインストールして、使うプラグインも決めたところで、実際に試してみた。
今回試してみたのは、日本でも有名な旅行の予約サイトExpediaのプラグインと、外部プラグインの中で海外のTwitterで今のところ一番評価が高いWolframのプラグインだ。
結論から先に言うと、どちらもまだまだ使いづらく、Expediaは正直ウェブサイトを使う方がいいレベル。
ただ、プラグインの性能が今後日々進化していくことを前提にすると、ChatGPTを使った旅行予約や調査が当たり前になる可能性も感じる。
Expediaプラグイン
来月沖縄に行く設定で、おすすめのホテルを聞いてみる
すると、ホテルニッコーアリビラ、ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄、ハレクラニ沖縄をおすすめされた。
しかしながら、基準はよくわからない。
あと平均価格や評価の点数は教えてくれるものの、実際に泊まれる部屋や価格は分からないので聞いてみると、「現在提供することはできないので、それらの情報はリンクに飛んでください」と言われる。
この場合予約はExpediaのサイトで行うことになるので、それであれば最初からExpediaのサイトで良さそうなホテルを調べるところから始める方が、色々と便利そうでである。
改めて、Expediaのプラグインでどのようなことができるかを聞いてみると、提供できる情報の種類が3つ。
宿泊施設の検索、宿泊施設の詳細、ブッキングリンクである。
また、他にフライト、アクティビティ、レンタカーの情報提供も可能。
そこで、レンタカー情報を聞いてみる。
車種の画像がないので、どのような車をおすすめされているかがよく分からないのと、合計料金がドル表示ww
車種の画像はリンクに飛ぶしかなさそうなので、料金を日本円表示にできるか聞いてみると、「できません」。
なかなか今の時点ではまだできないことも多く、基本はウェブサイトで予約するための入口として作られたのかもしれない。
ChatGPT内で宿泊施設の検索、確認、予約、支払まですべてが完結するのは、まだ先になりそうだ。
Wolframプラグイン
このプラグインはそもそも知らなかったが、プラグインストアで人気になっており、さらに海外のTwitterではこのプラグインが一番「まとも」と議論されていたので、試してみることにした。
「ChatGPTのプラグイン戦略は変だよね。それらをAIが使うツールと考えると、本当に役立つものは一つだけ(Wolfram)で、他は非常に限定的なサービスばかりだよ。全てが制限されていて、試したもの(Wolframを含む)はまだうまく機能していない。なんでこんなに役に立たないものから始めるんだろう?」
個人的には上のツイートに賛成で、なかなか外部プラグインで有用なものは少ない印象。
Wolframについても、百聞は一見にしかずなので、うまく機能していない点をお見せしたい。
10カ国の平均寿命のデータでグラフを作ってもらおうとしたら、日本の分だけしか表示されない上に、縦軸や横軸の数値の表示がイマイチ
この点を確認すると、現在は複数のデータを一つのグラフで表示することは、まだできないようだ。
ただ各国のデータはあるらしいので、示してもらうようにお願いする。
頑張って何回も試すWolframプラグインさんw
ようやく出てきた各国の平均寿命データは正しそう。
ただ仕事などではデータの出所を表示する必要がある人も多い。そこで、出所を聞いてみた。
「出典については公開されていない」、「情報源を確認することをお勧めします」。
これでは使えない。。。
せめて「〇〇のデータです」と一言あれば、そのウェブサイトを見に行ってデータの正否を確かめられるけれど、何もないとせっかくChatGPTでグラフを作成できたとしても、それをそのまま使うのはなかなかに厳しい。
特にその分野の素人だとデータの正否の見当は、極めて付けにくい。
現在の性能だとこれが限度なのかもしれないけれど、ここら辺はGoogleのBardがやろうと思えばできそうな気もする。
もしGoogle Bardでできるとすると、そちらを使う方が良いかもしれない。
まとめ:性能は高くないものの、気になったら使ってみるべし
ChatGPTのプラグインは、まだ始まったばかりなこともあり、そこまで性能は高くない。
ただ、それでも今後に期待している。
理由は2つ。
①これまでの開発スピード
半年前まではChatGPTを使わない生活をしていたが、今すでにChatGPTが何か調べものや作業をする時のツールの1つになっている。
そして、つい数ヶ月前まではプラグインもなかったが、今は徐々にOpenAI側の利用開放によって、使う人が増えている。
②競合他社
今や完全にAIブームで、OpenAIの直接の競合としてはGoogleがおり、パートナーとしてMicrosoft、そして他のAIサービス会社が続々とサービスを日々リリース・改善している。
本当に毎日何かしらのAIに関するニュースを聞く日々なのだ。
OpenAIとしては生き残るためにも開発・改善をいち早く進めていく必要がある。
これのことから、今プラグインに感じている使いにくさも、今後半年だけで見ても、大きく改善される可能性がある。
もし使いにくさが改善されると、より多くの人が使うようになる。
そうなる可能性も含めて、性能がまだそこまで高くない今こそ、試しやすいのではないだろうか。
気になったら、ぜひ試してみてもらいたい。
最後まで読んでくれて、ありがとう!
ではまた!