動画作成はなかなか大変だ。
企画、撮影、編集など手間がかかることが多い。
そんな動画作成をAIでできるようになったら、相当ラクになるのではないだろうか。
今回紹介するD-IDは、アバターや原稿などを設定すると、動画を生成してくれるAI。
まだまだ開発段階で、海外のサービスということもあり、使い心地は微妙な感じもするけれど、便利な機能が揃っている。
それでは、よろしくお願いします!
D-IDとは?
D-IDは、2017年に設立されたイスラエル発のスタートアップ企業だ。
AIだけを用いた完全な動画制作を可能にするというミッションに取り組んでいる。
D-IDの技術を用いて、クリエーターや広告代理店、制作会社、SNSなどが動画を作成しており、これまでに1億本以上の動画が作成された。
顧客にはフォーチュン500の企業であるワーナーブラザースピクチャーズなどがいる。
また、日本の五代商社の1社である丸紅から出資を受けている。
D-IDを使うことで、ユーザーはテキストからリアルな人間と区別が付かないくらいの見た目を持つデジタルヒューマンの生成や、ユーザーが持っている画像やビデオを使っての動画生成ができる。
さらに、デジタルヒューマンや動画内の音声は119の言語と、270種類の声も設定できる。
これにより、ほぼカスタマイズされたデジタルヒューマンや動画の制作が可能。
これまでの動画制作で必要だった、リアルな人や撮影動画の編集が必ずしも必要なくなり、企業の大規模な動画制作のコストや手間を劇的に削減できる。
今はまだデジタルヒューマンも動画も、表情が不自然だったり顔の動きと音声が合っていなかったりして、見てAIと分かるレベルだが、今後人との区別が付かなくなるのも時間の問題と思われる。
そんなD-IDのプロダクトは3つ。
・Creative Reality Studio
・chat.D-ID
・API for Developers
Creative Reality Studio
D-IDのメインプロダクト。
Creative Realityスタジオは、リアルな人に見えるアバターを使って、動画を作成できる生成AI。
AIによって作られた人を選んで、話す内容、言語、声、話し方を設定すると、動画を生成してくれる。
Creative Realityスタジオの設定画面↓
例えばこんな感じの画像だけでは本物の人間と区別が付かない、AIによって作られたデジタルヒューマンが大勢いて、その中からキャスティングできる。
すごい。。。
D-IDによるCreative Realityスタジオの紹介動画↓
ナレーションの声もAI。人間の声そのもので違和感がない
Creative Realityスタジオの中に、画像や動画を生成する主な機能を2つ紹介する。
1つがLive Portrait、もう1つがSpeaking Portraitだ。
Live Portrait
映画ハリーポッターにある新聞”Daily Prophet”(デイリー・プロフェット)の中で出てきた動く写真。まさにあれだ。
静止画の画像からアニメーション技術により、写真の人物の顔を動かすことができる。
Speaking Portrait
スピーキングポートレートは、AIによるデジタルヒューマンによって、ユーザーが動画の撮影や制作なしで人間の演者によるリアルな動画を作成できる。
画像とテキストまたはオーディオファイルを入力するだけで、D-IDのAI技術によって動画が自動的に作成されるのだ。
動画生成の手順↓
手順は3ステップ。
①画像のアップロード→②話す原稿となる音声のアップロードまたはテキスト入力→③AIが動画生成
いかがだろうか?
Live PortraitもSpeaking Portraitも、色々と使える幅が広そうな機能だと思う。
chat.D-ID
2023年3月に新たにリリースされたプロダクト。
chat.D-IDは、デジタルヒューマンとリアルタイムで会話をすることができるアプリ。
D-IDとChatGPTの組み合わせによって開発され、音声とビデオを使用してまるで人間とビデオ通話で会話をするかのように、デジタルヒューマンと会話ができる。
API for Developers
APIは開発者のためにD-IDが持つ動画生成の各AI技術を利用可能にする。
これにより、開発者はよりカスタマイズされたデジタルヒューマンを使って、自社のカスタマーサービスのキャラクターや社内のホームページのガイド役などを作成・運用することができる。
もし興味がある人は、APIのページがあるので、見てみてほしい。
また、APIのデモセッションも公開しているので、参考までに貼っておく↓
価格
D-IDは無料から月額299.9ドル以上のカスタマイズ価格まで、複数の価格を設定している。
価格ごとの内容はこちら↓
内容を見てみると、なかなかしょっぱい印象だ。
まず、Watermark(ウォーターマーク)と呼ばれる会社のアイコンがAdvancedプランまで付いており、Enterpriseになってようやく外すことができる。
Watermark(ウォーターマーク)は画像内のピンク色が背景の画像左下にあるD-IDのアイコン
また、動画を生成するのにクレジットが必要で、そのクレジットはプラン毎に付与される。
動画15秒当たり1クレジットかかり、Proプランでも毎月15分しか動画を生成できない
どのようにD-IDを使うか次第でもあるけれど、個人にとっては現状使いにくい価格設定のように感じる。
DIDの始め方
始め方は無料プランの場合はすごく簡単
D-IDのホームページにアクセスして、”FREE TRIAL”をクリック
それでD-IDの作業画面が開く
ただ動画生成をするには、最低でも無料のトライアルプランに入る必要がある。
そのためにはアカウント登録が必要。
画面左下の”Guest”の横にある▽ボタンをクリックして、開いたメニューの中にある”Login/Signup”をクリックする
ログイン画面に行くので、そこから”Signup”=アカウント登録をクリックする
会員登録のために、フルネーム、メールアドレス、パスワードを入力する。
入力できたら”Signup”をクリック
入力したメールアドレスにメールが来ているので、そこの”Confirm my account”=アカウント登録確認ボタンをクリックする
クリックすると、無料のトライアルプランの画面が開く
これで完了!
無料のトライアルプランで動画を生成することができる。
もしここから有料プランを使いたい場合は、別途アップグレードが必要。
画面左下の”Guest”の横にある▽ボタンをクリックして、開いたメニューの中にある”UPGRADE”をクリックする
すると価格のページに行くので希望のプランをクリックする
希望のプランの支払い画面で支払いをする
まとめ:D-IDは現状クリエイターや製作者、開発者向けのツール
D-IDを触ったり見ていて感じるのは、ChatGPTやMidjourneyのように個人でも使える利用者の裾野が広いツールというよりは、AIによる動画生成に特化して、その分利用者もクリエイターや製作者、開発者向けに絞っていること。
各機能も動画を作る人向けに開発されている感があり、多くの個人が気軽に使うというよりは、動画製作者や開発者がそのために使う感じがした。
個人的には作ってみたい動画のイメージができたら使ってみたい。
それまでは個人でも手軽に使える他のAIを触って、知見を深めようと思う。
何かの参考になれば幸いです。
最後まで読んでくれて、ありがとう!
ではまた!